介護業界はなぜ人手不足なのか

介護業界は慢性的な人手不足が問題視されているのですが、そもそも介護業界が人手不足で悩んでいる理由は介護に対するネガティブなイメージが問題だと言われています。介護は昔から「きつい・汚い・危険」のいわゆる3Kの仕事として敬遠されていたのですが、介護虐待のニュースが増えたことで「臭い・暗い」などのイメージが追加されてしまいました。このようにネガティブなイメージが定着している介護業界は、どんなに需要が高まっても若い人たちがやりたがらないことから慢性的な人手不足に悩んでいるのです。このように、求職者側が敬遠していることが大きな問題とされているのですが、ほかにも介護業界の人手不足には様々な理由があります。

その中でも特に深刻な問題として挙げられているのが、会社の待遇面です。介護業界は介護保険制度によって利益を出しており、そこから介護職員に支払う給与が捻出されています。また、法人関係だけではなく民間の企業も介護業界に参入するようになり、業界そのものは活気づいているように見えます。ただ、実際には介護施設や事業所が得られる利益はそこまで大きなものではなく、介護職員に支払える給与も決して高くありません。その結果、会社側は高待遇でスタッフを迎えられず、給料の安さからやめてしまう人が後を絶たないと言います。ほかにも介護職としての仕事の難しさや大変さから雇用しても定着しにくい傾向があるなど、人手不足がさらに介護職員不足を誘発する悪循環に陥っているのです。